三千世界の鴉を殺す

歌って踊る男の子たちにお布施する妖怪

Hey!Say!JUMPの最新DVDがスレたオタク矯正プログラムだった話

 

Hey!Say!JUMPの最新コンサートDVD「I/O」を3形態フラゲした夜から仕事後に見る夜を送り続けてたら胸がいっぱいになったOLの所感です。ジャニオタとしての自分をちょっと見つめ直したので覚書。

DVDのネタバレはほとんどないです。

 

 

まず前提としてこのOLなんですけど、12年前に天草流くん(探偵学園Qを見てください)に心臓と頭をやられてから1秒も飽きることなく山田涼介くんのオタクをして生きてきた新社会人になります。アイドルの彼が好きなのでガチ恋じゃないし、古参だ新規だ騒ぐ時期もとっくに過ぎて、我ながらめちゃくちゃ達観した仏のようなオタクなんじゃないかなと自負してます。知らんけど。

 

 あと山田担だけど、応援のスタンスとしてはall担寄りになるのかな。Hey!Say!JUMPというコンテンツ(?)そのものを愛してるから、みんながそれなりに満足のいくお仕事がそれなりに楽しくできて、ほどほどに仲良くメンバーと過ごせて、毎日健康でいてくれれますように、という初孫を100歳過ぎて初めて腕に抱いたばあさんみたいな感情。メンバー全員年上だけど。

 

そしてI/O(インプット/アウトプット)が何かというと、昨年末〜今年始にかけて行われたHey!Say!JUMPの10周年記念ドームツアーです。

初回盤1、2、通常盤の3形態での発売で、全て3枚組。

DISC1と2には本編(I/Oドームツアーファイナル公演)映像。

DISC3の特典映像は全て違って、初回1は2015年末に行われたカウントダウンコンサートが、初回2は2016年末の公演が、そして通常盤は昨年夏〜秋にかけて行われたアリーナツアー中のバックステージ映像が特典映像として収録されています。

つまり、3形態購入すると2015年末、2016年末、2017年夏〜秋、2018年正月の映像が手に入るんですね。内訳も公演、公演、バクステ、公演と、彼らのオンオフ両方見れるわけです。

ざっと丸2年の軌跡ですよ。アツいでしょう?ちなみにトータル2万でした。

 

 

話は戻って、涼介くんをJJ(Jr.時代の所属グループ)→旧Hey!Say!7→JUMP(NYCも)とずっと見てきた仏OL、ツアー多ステしてたからセトリも演出も全部知ってるのに本編映像見てわんわん泣きました。しょうがないよね~~あんなの何回見ても泣いちゃうよね……グリーンラベルの缶片手にキムチつまみながら臨場感を追求して電気を消した独り暮らしの8畳間で平日の深夜にぼろぼろ泣いてる成人女性、図がグロテスクすぎ……

 

 

先述のとおり、私の応援スタンスはきっととっても淡白なので、彼らのプラベや素の顔ってわりとどうでもいいんです。彼らが見せてくれる、見せたいと思っている部分だけ見てきゃーきゃー言うくらいがちょうど良いと思っていて。たまにテレビの企画で自室公開~!つってクローゼットの中見せてくれたり、じゃんぺ(会員限定有料ブログ)にお風呂上りの自撮り上げてくれるのでお腹いっぱいなんですよ。

 

本人たちが見られて嫌だなと思うような目撃情報とか、アイドルじゃなくてただの男の子として生きている部分には極力立ち入らずにいたいんです。まあオタクだから堀越エピ漁っちゃうときもあるけどさ。

 

 

だからコンサートの作り笑顔でもビジネス仲良しでもBL営業でもきゃーきゃー言えるんですけど、まあそれが夢だってことは重々承知してたんです。夢のような夢をいつまでも見せるのが彼らの仕事だもんね。

 

 

でもね~~~~そんな仏スタンスだから余計こう思ったのかもしれないんだけど、

I/O…みんなめちゃめちゃ楽しそうじゃない…?

 

 

アイドルとしてきらきらしてくれてる彼らをずっと見てきたからこそ、感じる違和があったんだよ…見たことない表情がいっぱい…えっこの顔知らない…知念ちゃんがこんなにずっと心底楽しそうにしてたことってありましたっけ…雄也がこんなに自然体なことってありましたっけ…ドーム公演ってみんな基本いつもテンション高めだけど、それにしてもやっぱり結構浮かれてますよねHey!Say!顔がいいJUMPさんたち…ほらだって特典映像の過去の2公演と比べてもなんかはしゃぎ度が違う…10周年だからだけじゃないでしょこれ…

 

 

顔も見たくないくらい大嫌いでも「君にしか見せられない顔がある~」ってお互いの唇なぞれたり、挨拶以外の会話を一切交わさない仲でもMCでする気のないメアド交換の約束ができるような人たちなんですよ。そういうお仕事なんだもん。だからそういうのにはしゃぎつつ、心のどこかで「夢見させてくれてありがとうな」って思ってた。ちょっと虚しいけど、アイドルは虚構の偶像だってわかってた。

 

でももしかしたら、それって彼らに対して失礼なのかもしれないなあってぼんやり思ったんです。

 

BL営業はともかくとして(個人的にnmmn地雷なのであまり得意じゃない)、ビジネス仲良しとか、本当はこんな衣装着たくないだろうにとか、そういうこと思うのって体よく「達観」だって言ってきたけど、それって結局まさに「彼らの見せたくない姿」なのでは?という考えに至ったんですよね。

 

私はわかってるよ~~うんうんつらいよね~~でもそんな君たちには気づかないふりしてるからね~~みたいな…どこから目線なんだ…?

気持ち的には地下ドルの現場にいるフロア後方で腕組んで見てる彼氏面オタクと大差ないですよ。なのにそう思ってることを悟られたくないから、ポーズだけでも「盲目オタ」を装って5列目ぐらいでコール打ってるみたいな…最前行くほどの情熱アピは恥ずかしいみたいな…こじらせすぎでは…

 

密着する振り付けが嫌なことだってあっただろうし、思春期に歌いたくない歌詞もあっただろうし、苦手なメンバーも、気に入らない衣装も、嫌いな仕事も当然たくさんあったとは思う。

 

でも、それを悟らせないように、君たちは笑顔できらきらしてくれてたんだよね。

 

それを勝手に全部察してます、分かってます、みたいな気になってるのは彼らの本意じゃなかったのかもしれないなってようやく思い至った。

あんなに格好良かったら恋人がいるのなんて当たり前。健康な男なんだから性欲だって持て余すだろうし、人気アイドルの収入があれば派手に遊ぶこともあると思う。成人してるんだからタバコもお酒も嗜むだろうし、人間なんだからそれで失敗することだってあるよね。…みたいなこと、当然のことではあるんだろうけど、とはいえ「邪推」でしかないんだよね。

 …まあこの考えすらもただの憶測だけど。

 

なんだろ、私こわかったのかな~~いざスキャンダル出たときに落ち込むのが…だから先手を打って防衛線張ってたんだろうか…でも考えてみれば最初からこういうスタンスだったわけでもないんだよな~~…

龍(2011年に脱退した元メンバー)のこととか、メンバー抜けたり活動休止したりする先輩グループたちを見て、少しずつそうなっていったのかもしれないです。いろんなことに直面した時に、怒りたくないしなるべく悲しみたくないから、「アイドルだってタバコ吸うよね」とか「他にやりたいことあるよね」とか「世の中仲良くなれない人もいるよね」とか、勝手に合理化して正当化して、無意識のうちに彼らに向ける期待値を下げていたのかも。

 

そう思わせないようにしてくれていたのにね。

 

本人たちの真意なんて一生分からないから、私がいや~この衣装きついだろ…って思ったやつだって、意外と彼らは気に入ってたのかもしれない。聴いてるこっちが恥ずかしい甘い歌詞も、意外と抵抗なんてないのかもしれない。10年以上アイドル続けられる人たちなんだから、そのへんの感性は一般の男の子とは違うのかもしれない。すっぽんの私には、お月様やお星様の気持ちは分からない。

 

どうせ分からないなら、夢を見てもいいのかもしれない。

だってこのDVD、本編映像の花道走るみんなが本当に楽しそうなんだもの。自分の歌唱パートじゃないときにメンバーとふざけるのも普通の男の子みたいだし。アンコでファンに向ける笑顔も心底嬉しそうだし、メイキングだって「本当に」仲が良さそう。

 

彼らが見せたくない姿は当然映っていないから、どこまでが素でどこまでが営業なのか分からないけど、それでもちょっとだけ、全部鵜呑みにしてもいいのかなという気になった。

 

 

 

 

たとえばスキャンダルが出たとき、ファンに「○○くん/ちゃんはそんなことしない!」って言われるのと、「アイドルだって人間だもんね~」って言われるの、アイドルはどっちの方がこたえるんでしょうね。

自分に向けられる期待値が高すぎるのも低すぎるのもキツい気がする…。「そんなことする人だなんて思わなかった!」が一撃必殺なのは分かるけど。

崇高な存在として見られるのに窮屈さを感じるのか、ただの人として見られるのはやっぱりアイドルとしてかちんとくるのか。アイドルになってみなきゃ分かんないですけども。

 

 

「夢を見せること」がアイドルの仕事なら、「夢を見ること」がファンの義務なのかもしれないです。

 

結局私は、「都合のいいファン」になりたいんだと思います。格好良いところだけ見て、週刊誌の記事も情報垢も知らずに、お金いっぱい落とすけど必要以上に騒がない、うちわをちゃんと胸の前に掲げるファン。どんだけ人気がなかろうが何人メンバーが減ろうがずっと一途に応援する都合のいいオタク。

こんな化け物みたいな顔面の女が自分のファンだなんて、私が自担だったら恐怖で気絶してしまうから認知は一生されたくないんだけど、誰に言い訳するでもなく見かけだけでも「いいファン」であり続けてはきたんだよね。

 

CDやDVDが出れば全形態先払いで予約する。カレンダーもフォトセも買う。テレビやラジオに出演したらタグをつけてほどほどに呟くし、ファンレターも送る。画面キャプチャ貼らないし、雑誌の無断転載もしない。現場ではうちわはひとつしか用意しないし、胸より上には上げない、それもファンサ乞食系じゃなくてメッセージ系。裏返すと「涼介くん」。反射フィルムもモールも貼らない。物販は全部買って、顔うちわは全員分を1つずつ、自担だけ3つ。とんちきヒール履かないし、花冠かぶらないし、ヘアメは耳より下。会場周辺で立ち話したり、非常識な場所で写真撮ったりしない。奇声上げない、泣き喚かない、出会い厨しない、新規いびりもしない。

 

すごいいいファンじゃないですか?

だって「いいファン」だと思ってもらいたいもの。Hey!Say!JUMPのファンは雰囲気いいね!ってさ。

せめて無害、可能なら有益なファンでいたいじゃん。

 

でも結局いい子ちゃんぶってるだけなんですよね。大声で言いやしないけど普通に多名義だし、多ステするし、外れたら高額で売られてるチケ買っちゃうし。現場で盗撮見つけたら愚痴垢で座席晒すし、匂わせ女やイキりキッズは鍵垢で叩くし、そもそもはてブロにこんな記事書いてる時点でお察し。

 

 

話が散らかってきたなあ。そろそろここらで整理します。

 

CDデビューから12年目を迎えた山田涼介くん、11年目のHey!Say!JUMP。

長いこと彼らにきゃーきゃー言い続けてきたけど、同時に「とはいえ同じ人間だからな」「これだけ笑顔を振りまいてても裏ではドロドロしたりギスギスしたりしてるんやろな」「大丈夫、私は全部分かった上で好きだから」って思ってきた。

そうやって「理解のあるファン」を気取って、来るかも分からないスキャンダルに備えて。

実際いろんな噂が出たときも「やっぱりね」「そういうときもあるよね」「幻滅なんてしないよ」って言えた。

でもそれって、大好きな彼に、彼らに向ける期待値を可能な限り下げてるってことだと気付いてしまった。期待してなきゃそりゃあ幻滅しないよな。

 

私の好きなアイドルゲームこれでもかというほどの名台詞があるんですけれども、

 

「オレたちは、スターなんかじゃない……。

 体中に、精一杯、銀紙貼っ付けて、星のフリしてんだ。見上げてくれる人たちがいるから。

 せめて、その人たちの前では笑ってたいから、飛べもしないのに、必死で宙に浮かんでるフリしてんだよ。」

 

9人はあんなに頑張って必死できらきら輝いてくれてるのに、「銀紙でも綺麗だよ」って訳知り顔で斜め上から見てた。

彼らは本当のお星様であろうとしてくれてるのに。

 

今回のツアーDVD見たら、本当にすごく久しぶりに「本物のお星様かもしれない」と思いました。最初の数年は純粋無垢に心の底からそう思ってたんですけど、もう長いこと銀紙前提で見てしまっていたので…10年以上ジャニオタやってて今更こんなの馬鹿すぎるのは分かってるんですけど、一周回ってピュアなオタクに戻ってみようかなと思った次第です。

 

I/Oはスレたオタク矯正プログロムだった、という話でした。

 

 

 

 

純粋にDVDの感想とか、圭人の件とか、涼介くんがセンターじゃないとホッとする話とか、I/O京セラ公演で隣に入ったキッズちゃんが盗撮してた話とか、書きたいことは色々あるんですけど、それはまた別の機会に。